レイレイ・セフォーの備忘録

【難解な酷評】レイレイ・セフォーの備忘録。好きな話をいろいろと。

2021年1~3月までの新譜のはなし

こんにちは。

 

2021年も例年と変わりなく、早くも5月になってしまいました。

昨年は、情勢や生活が変わってしまいましたが、現在も同じような状況が続く昨今です。

私も例にもれず、家にこもりがちで、やはり音楽を聴いていることが多いです。

という事で今回は、そんな中、聴いていた今年の新譜で、気に入ったアルバムの紹介と簡潔な小レビューをさせていただきます。

 

Swallowtail『The Bloom / The Blossom

 

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確か、リリースは1月1日。私の2021年は、このアルバムで幕を開けたと思います。

ノーフォーク出身のポストロックバンド、Swallowtailの3枚目のアルバムである今作は、バンド初の2枚組アルバムとなっています。

 

前半は、アンビエント、シューゲイズ。後半は、ポストロックの構成となっています。

後半の楽曲群は、純然たるポストロックですが、アルバムの肝は、前半にあるように感じました。

2曲目からは、清閑だけど、どこか緊張感を内包したようなアンビエントサウンドになり、それを切り裂くようなノイジーなギターに美しさが見えます。

勿論、後半の楽曲も質が良く、気持ちの良いストロークアルペジオ、リズミカルなドラム等、交じりっ気のない音楽を楽しめました。

 

・好きなトラック  『BiolumineScene』

Jazmine Sullivan『Heaux Tails』

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フィラデルフィア出身のシンガー、Jazmine Sullivanの初のEP。

客演には豪華なメンツを迎え、話題性十分な今作ですが、彼女の唯一無二のグルーヴ感を生み出す"ill"な歌声はそれにも負けないクオリティ。

 

全体的に「今っぽいR&B」ではないものの、メロウで爽快感のある心地の良いサウンドや、赤裸々である種、普遍的なようなラブソングは、2021年を代表するようなEPとは言わずとも、長く聞き続けられる作品になっていると思います。

 

この作品でも、彼女のシンプルな技量を堪能するには、存分に評価できうると言えますが、もっとサウンドプロダクションなどに趣向を凝らした作品にも期待が持ってしまいますね。

 

・好きなトラック『Put It Down』

 

Hospital Bracelet『South Loop Summer』

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シカゴ出身のエモ・バンド、Hospital Braceletのデビュー・アルバムである『South Loop Summer』。

表現力の高いちょっとParamoreチックな女性ボーカル、センチメンタルなギターと訴求力のあるベース、エネルギッシュなドラムと、バランスのいいバンドです。

 

先のアルバムと同じく、「真新しさ」があるとは言えませんが、確立された音楽性を再解釈した良作で、エモもパワーポップも、現状、ホットなシーンであるとは言い難いですが、このアルバムは2020年代以降のエモ・アルバムの金字塔になると(70%くらい)確信しています。

私は英語弱者なので、歌詞を十二分に理解できているとは言えませんが、タイトルの『South Loop Summer』の通り、夏にまつわる歌詞が多く、ループ=繰り返す日々を歌っているようです。

 

・好きなトラック『Sour OG RPG

 

Wau Wau Collectif『Yaral Sa Doom

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セネガルのバンドであるWau Wau Collectifの1stアルバム。

制作はセネガルスウェーデンという、何やらちょっと特殊な形で作られた(詳細はbandcampのページに明記されています)らしいアルバムで、ダブやジャズ、アンビエント、そして彼らに根付いた民族音楽など、様々な音楽ジャンルから影響や、吸収されたオリジナリティのあるサウンドは、暖かさや優しさを持ちながら、どこか強さのようなものを感じます。

 

インターネットを介して、録音された作品らしく、おそらく録音はセネガル(の農村)。

音質も、機材も、きっと良いとは言えない環境で制作されているようですが、それらの条件がそろっていなければ、良作、傑作を作ることはできないという事は、決してないと分からせてくれるようでした。

 

多くのことを感じ、多くのことを学べるであろう、このアルバムを、声を大にして、「ぜひ聴いてみてほしい!」と言いたいです。

 

・好きなトラック『Riddim Rek Ya Niouy Mom』

 

 

以上、2021年1月~3月のアルバムの紹介でした。

思ったよりも長くなってしまい、紹介できたのも4枚だけで、ほぼ1月のアルバムになってしまったので、また続きを書きたいと思います。

SUPERCARについて思うこと。

昨日、私のTwitterのタイムライン上でスーパーカーについての話題が上がっており、それらを拝見して、なるほどな、と思うところが多々ありました。

そして同時に、スーパーカーに対して、私自身はどんなイメージ、聴き方をしていたんだろう、と感じました。

 

そこで、雑記的にブログに書いてみようと思いました。

2010年代に青春時代を過ごした、若輩にとってのリアルの話と思って読んでいただけると幸いです。

また、あくまで私の周りでの話ですので、同世代の方のみんながそうだ、と言うわけでは無いですので。

 

そもそも、私がスーパーカーを始めて聴いたのは、彼らが解散してからしばらく後でした。

当時、くるりに熱中していて(今でも大好きなバンドですが)、その流れで「97年世代」に辿り着き、拝聴しました。

私の周りでは、NUMBER GIRLから行った人が多かったと思います。

 

なんとなく、私たちが求めていた音楽は、「若さ」とか、「青さ」みたいな物で、その97年世代の中では、スーパーカーの1stアルバム「スリーアウトチェンジ」はみんなの最適解だったのかなあと、ジャケも真っ青ですしね。

実際、「スーパーカーが好き」という友人は、ベストに1stを挙げる人が多くて、やはり、何か刺さるものがそこにあったのかなと思います。

 

それともう一つ。

みんな、Oasisが好きでした。

いかにもOasisライクなリフやメロディが多い1stは、聴きやすかったですし、それを日本のバンドがやっていた訳ですから。

 

無論、私もそのクチで、1stから入り、1stを何度も聴き、「良いバンドだな、良いアルバムだな」と感じていました。

 

ここでちょっと余談。

私たちがそれ以前に聴いていたバンド、アーティスト達は、世代的に、97年世代の影響を公言していました。

私が認識している範囲では、97年世代と呼ばれるバンドは、くるりスーパーカーNUMBER GIRL中村一義、といった面々。

 

どれも素晴らしいアーティストですし、私も好きですが、みんな、どのバンドも同じくらい好きで、なおかつ、同じ枠の中で評価していたように思います。

まあ、それは各々の勝手なんですけど、90年代後半、という大きめの枠組みの中で評価していて、「みんな、どういう聴き方してるんだろう...」と常々思っていました。

 

閑話休題

スーパーカーは2ndアルバム「JUMP UP」から、エレクトロサウンドが徐々に目立つようになってきて、その到達地点の一つとして、4thアルバム「HIGHVISION」が挙げられることが多いと思います。

 

私は、そのサウンドの響きだとかに、当時の先進性(実際、どこまでセンセーショナルだったかは置いておいて)などを感じて、エレクトロ色が強くなったスーパーカーも大好きでした。メロディもいいですしね(ちなみに、私は3rdアルバム「Futurama」が好きです)。

 

しかし、私の周りでは、エレクトロ期(と勝手に呼んじゃいます)のスーパーカーを愛聴している人はほとんどいませんでした、1stはめちゃくちゃ聴いてるのに。

 

先日、Twitterにて、とあるツイートにナカコーさんが返信をされていました。

その内容はざっくりと要約すると、

「今では「HIGHVISION」が最高傑作扱いだけど、当時は、スーパーカーがマスに向けた音楽をすることを諦めた、と感じた。」というツイートに対して、ナカコーさんが「やめていない。メジャーレーベルのアーティストなんだから、売る気で作った。」と返信。

その後、「今でも私は大衆に向けて作っているし、そもそも、一部の限定された層にだけ向けて作るのは、不可能」ともツイートされていました。

 

私は、どちらの意見、考えにも理解できるし、間違っていないような気がしました。

 

2010年代に生きている私たちにとっては、彼らのエレクトロサウンドは、特に真新しいものでは無いと思います(これは、批判では無く、単なる事実としてです)。

その上で、スーパーカーにその音楽性を求めている者は私の周りでは、皆無でした。

逆に、そういう音楽を好きな人はサカナクションを聞いていました。

 

あくまで予想ですが、「自分達が産まれた頃の、もう手に入れる事の出来ない時代感の青さや青春のノスタルジー」を1stから摂取しようとしていた人が多かったんだと思います。

なので、当時はセンセーショナルさがあって、元々ギターロックをやっていたバンドが作る、エレクトロ的な楽曲には大した興味がなく、90年代後半に10代のメンバー作った青々としたロックばかりが聴かれている気がします。

 

リリース時にマスに向けた音楽だったか、とは論点がズレてしまいますが、私たち世代の一般的な邦楽好き、バンド好き(ここで言うところのマス層)には刺さらなかったと言えるんじゃないかな、と(私の周りでは、の話ですが)。

現に、スーパーカーが好きと言って、1stを聴き込んでいるような人が、現在のナカコーさんのソロを全く聴いていないようですし。

 

90年代後半の背景は、私には分かりかねますが、私たちのような後追い世代にとっては、もしかすると、現在のスーパーカーは「マス向き」なバンドでは無くなっているかもしれないです。

 

いかにして私立恵比寿中学は女性アイドル業界の頂上に立つに至ったか。

日進月歩の女性アイドル業界、今日もどこかで新たなアイドルがデビューし、またどこかで活動を終えるアイドルがいます。

人体の細胞と同じように、凄まじい循環を繰り返して、瞬きする度に変わり続けているんです。

 

そんな千変万化のアイドル業界で揺るがない地位を築いた、と私が感じているグループがいます。

それが、スターダストプロモーション所属、私立恵比寿中学です。

一体なぜ私立恵比寿中学(以後、エビ中)が現在、そこまでの高みへ昇り、魅力的であるかをお話ししたいと思います。

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私立恵比寿中学というグループ

エビ中の経歴をざっくりとおさらいすると、

2009年にももいろクローバーZの妹分として、グループ結成。ももクロよろしくな派手なパフォーマンスを武器にアピールしていた。

2012年にメジャーデビュー、9人体制。

2013年にさいたまスーパーアリーナでのコンサートを行い、デビューからの最速公演記録を樹立。

2014年4月、メンバー編成が変わり、8人体制に。

2017年2月、メンバーの松野莉奈の急逝。

2018年1月、メンバー編成が変わり、6人体制に。

こんな感じです。

 

メンバーは架空の中学校に在籍する生徒で、『永遠に中学生』のため、現在は平均年齢が20歳を超えていますが、『中学生』という設定ですが、これはそこまで重要視する必要がある事では無いので、なんとなく覚えていていただければと思います。

 

アイドルグループとしての個性

ここからが本題です。

まず、エビ中はどんなアイドルグループなのか、ということ。

とても簡潔にエビ中を表すとすると、"普通のアイドルグループ"です。

コンセプティブではなく、特定の音楽ジャンルに専念している訳でもなく、圧倒的なエースを持っているわけでも無い。

ただ、それがアイドルグループとして魅力的で、オンリーワンである所以でもあります。

 

アイドルが憧れるアイドル

まず、補足的な感じで触れておきたい話題なんですが、現役のアイドルでエビ中のファンを自称している人が多いように思えます。

実はこれ、結構重要なんですよね。

 

2015年くらいまでは、『アイドルが憧れるアイドル』といえば、℃-uteでした。

彼女達は、統率された高いパフォーマンス能力と女性的なスタイルの美しさを武器にたくさんのフォロワーを生みました。

エビ中の場合、現在はパフォーマンスは良いものの、初期はそれほど高くもなく、ビジュアル力で売っているグループでもありません。

 

℃-uteの人気を支えたのは、彼女達がタレント性のあるアイドルであり、典型的偶像崇拝の対象であったことです。カッコいいアイドルであり、到底辿り着けない憧れの意思が、同業であるアイドル達にとって畏怖になっていました。

 

対してエビ中。彼女達を支持するアイドルは同年代が多いんです。つまり、エビ中の成長と自分たちの成長を共に歩んできているんですね。

神格化されている℃-uteよりも精神的に近く、憧れでは無く、よりフラットに応援が出来た、そこが彼女達の強さだったんだと思います。

 

個々の力と親和性

エビ中の魅力の一つに個の良さがあると思います。

各々が違った持ち味があって、それが上手く作用している訳なんですけど、これって意外と難しい事でして。

グループ名を上げちゃうとバッシングになりそうなのでしませんが、複数人を集めて個性が被らないって困難な事なんですよね。

 

それが顕著に出ているのが、声質です。

初期はともかく、現体制に近いメンバー構成になってからは、初めて聴いたととしても声の違いが分かるんです(あくまで私は、ですが)。

愛らしい声もあれば、太く力強い声もある。

透き通るような声があれば、ハスキーな声もある。

これが、時に一人の人間から出ていることもあります。

 

もちろん、違う声質が集まっているあまりに、ユニゾンでの粗さが出てきます。そして、誰もリードボーカルの声質に近づけようともしません。

これが却ってオリジナリティのあるユニゾンとして完成されています。

イメージとしては、手は繋いで無いけど円陣を組んで互いの目を見ている感じです(?)。

あくまで、色の違う6人が集まることで生まれる力強さを強く感じます。 

 

また、6人編成というところにもポイントがあります。

決して珍しくは無いことですが、偶数のメンバー編成の持ち味も活かしています。

通常、アイドルグループにはセンターと呼ばれる者が存在し、人気だったり、ビジュアルだったり、歌唱力などで選出されます。

しかし、エビ中は特定のエースポジションを要していません。これはどのメンバーでもエース級の実力、魅力があり、均等なパフォーマンスをさせても見劣りしないからだと思います。

 

この偶数編成の持ち味を最大限に活かしているグループだと言えます。

 

楽曲提供者の妙

エビ中の活動を支える楽曲群は、初期からクオリティが高く、また著名な作曲家からの楽曲提供を受けています。

その楽曲提供者のセレクトがポイント。

最近の楽曲提供から名前を挙げると、

ポルカドットスティングレイ、吉沢嘉代子、iri、石崎ひゅーい、川谷絵音岡崎体育、Mega Shinnosuke、TAKUYA、四星球などなど...

 

名前だけを見ても中々の面子!と思えますが、そのチョイスが絶妙に良い。

作曲陣のファン層を考えてみると、かなりピースフルな人々が浮かんでくる。

「なんだよ、アイドルの楽曲提供なんかやるのかよ...」と思うようなファンがいるアーティスト達では無いように思えます。

 

アイドルに、エビ中に偏見がなく、単純にポップミュージックとして受け取ってくれそうで、ファンの拡大に繋がる絶妙な面子なんですね。

 

初期から支えている作曲陣も良い。

それが、ヒャダイン池田貴史たむらぱん、さつき が てんこもり。

早い段階で安定的な作曲家を、エビ中の成長と共に携わせることで、メンバーの性格や特徴を捉えた的確な楽曲を貰っています。

 

内部間の信頼感を分かりやすく表現している点は、ファン心理的に触れやすく、馴染みやすくなっています。

 

8人で乗り込んだ"感情電車"

2017年2月8日、衝撃のニュースが目に飛び込んできた。

メンバーの一人である、松野莉奈さんの病による急逝だった。

当時、熱心にエビ中を追っていなかった私にも、驚愕の内容でショックを受けたことを覚えている。

 

私や多くのファンが想像する以上に、メンバーはショッキングな事だったと思います。

7年弱の活動を共にした大切な仲間が急に飛び立ったのだから、心情は凄まじいものだったでしょう。

 

それからたった2ヶ月後、春のツアーが始まりました。

8人用の振り付けや、歌割り。全てを改める必要がありました。ファンのためにも、松野さんの為にも、立ち止まる事は出来ず、悲しみに暮れることすら惜しんで、挑む事となりました。

 

そして、ツアーの最中である、5月末日、4thアルバムである「エビクラシー」が発売されました。

意訳すると、「私立恵比寿中学主義政治」とでも言ったところでしょうか、前向きで強気なタイトルとなりました。

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表題曲の一つである「感情電車」は、爽やかで甘酸っぱい恋愛模様を歌った楽曲。

https://youtu.be/pOYXQBy5Pqw

一聴すると、恋愛ソングですが、各所に散りばめられたキーワードの数々から、松野さんを追悼した歌だと言われています。

作詞はたむらぱん。初期からエビ中の活動を共にしてきた大切な"メンバー"の1人で、それは彼女だからこそ書ける詞でした。

 

サビにはこんなフレーズがあります。

感情電車に乗っかって 駆け出してよどんどん行っちゃって

愛情大小詰め込んでってよ そうそう離しはしないでよ

頑張る上手になりたいね 楽しんだりもっと忘れないで

感情電車は特快で今 もうもうどこにも止まれないよ

誰が見てもネガティブな状況。

しかし、彼女達は進む事を決めました。

そして、7人のメンバーと、ちょっと遅れてくるであろう松野さんの8人で"感情電車"に乗り込みました。

感情電車は特別快速、どこにも止まらないで走り続けます。

 

当時のインタビューでメンバーは、「今日は、りななん(松野さんの愛称)がたまたま休みなだけだ」と語っていました。

きっと、松野さんはちょっと長めの休みに入っただけで、変わらず歩み続けているのでしょう。

 

過程という名の停車駅

彼女達を乗せて進む特快電車、途中、1人降車してしまいましたが、それでもなお走り続けます。

 

そんな中、エビ中に一つの依頼をした人がいました。

その人は、「エビクラシー」を聴き、彼女達の強い意志と熱い想いに感銘を受け、是非とも私の曲を歌ってほしいと言いました。

 

その人は、椎名林檎。トリビュートアルバム「アダムとイヴの林檎」への参加依頼でした。

 

名を連ねるのは、井上陽水田島貴男RHYMESTER宇多田ヒカル&小袋成彬などの一流のアーティスト達。

エビ中は、その一員として、他のアーティストに引けを取らない、素晴らしいカバーを提供し、一流のアーティストへと至りました。

https://youtu.be/ERtAI8L3Y5g

しかし、彼女達にとって、これは降りるべき駅では無く、進む道の過程でしかありません。

アーティストとして、アイドルとしての道程であり、糧にしてまた進み始めます。

 

アイドルであるという事

よくアイドルに対する褒め言葉として、「アイドルの枠を超えた」と言われる事があります。

ですが、私はあまりこの言葉が好きではありません。

まるで、アイドルとして100%に達すると、やっとアーティストの土俵に立てると言っているように聞こえるからです。

 

その上で、エビ中はアイドルとして100%に達しながら、その都度、110%、150%と高まっていきます。

 

どこまでも進化し続ける彼女達には、「アイドルの枠を超えた」なんて言葉は似合いません。

アイドルとして、頂点に立ち、未だに成長し続ける私立恵比寿中学をこれからも応援していきたいと思います。

 

 

 

 

【アルバムレビュー】RAY『Pink』2020年

2020年5月23日に発売された、RAYの1stアルバム『Pink』。

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https://open.spotify.com/album/0mjkN9n4bxzGZTFBUjK8k3?si=AaFcORV5Su-tRi_lO7xXWA

 

1.Fading Lights ★★★☆☆

2.バタフライエフェクト ★★★★☆

3.世界の終わりは君とふたりで ★★★★★

4.Blue Monday ★☆☆☆☆

5.ネモフィラ ★★★★☆

6.Meteor ★★★★☆

7.尊しあなたのすべてを ★★☆☆☆

8.星に願いを ★★☆☆☆

9.no title ★★☆☆☆

10.GENERATION ★☆☆☆☆

11.シルエット ★★★☆☆

12.オールニードイズラブ ★★★☆☆

13.スライド ★★★★☆

14.サテライト ★★☆☆☆

 

シューゲイズ、ポスト・ロック、エモ、メロコア等のエッセンスを含む、挑戦的な作品。

ジャケはシューゲイズの名盤、Rideの『Nowhere』のオマージュか?

アルバム通して、楽曲のクオリティはどれも高い。

 

#1は轟音ギターとまではいかないが、ジャケよろしくな波が押し寄せるような感覚を受ける。

シューゲイズ独特の浮遊感が無いのは、アイドライズドさせるためにBPMを高くしているからだろうか。

#2なんかは、シンプルなパターンのドラムイントロから始まり、印象的なリフとコーラスが加わっていく。なんとなく、日本のシューゲイズバンドを聴いているような郷愁がある。

#3は、私個人のベストトラック。某Kashmir的リフにアルペジオ、他楽器隊と加わっていく、かなりロック的なシューゲイズ曲。サビの激情感のまま間奏に繋がるラインは大変エモーショナル。

ドリームポップ調の#5もかなり完成度が高い。透明感のある女声ボーカルが、ドリームポップ特有の幻想性に作用している。日本語のせいもあってか、SUPERCARっぽさもある。

#8〜11までの楽曲も悪くは無いが、アルバムを通して聴くと、統一性が失われているように聞こえてしまう。緩急として入れるなら、もう少し早めに収録した方が良かったのでは?

#13も中々上質なシューゲポップになっている。音楽性が豊かになってきている現在のシーンに、かなり適しているというか、ブクガやオサカナが培ってきたポスト・ロックの流れを汲みながら、前身(?)の・・・・・・・・・のロック的な粗さを上手くまとめてきている。

 

かなり拘って作られているのが分かる、クオリティの高い一枚。

その分、ジャンルの幅を出すという実験的な構成が、裏目に出ている部分もある。

メロコアチックな楽曲も、曲単体では質が良いから、そういうコンセプトで作ったアルバムがあれば良いのではと感じた。

 

 

【アルバムレビュー】BiS『Brand-new idol Society』2011年

2011年3月23日に発売された、BiSの1stアルバム

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https://open.spotify.com/album/5O2N6Ope1f0qKTrV0rcja3?si=hbTQ2irlS1idCbe-pcqz5w

 

1.Give me your love 全部 ★☆☆☆☆
2.BiS  ★★☆☆☆
3.太陽のじゅもん ★★☆☆☆
4.nerve  ★★★★★
5.パプリカ ★★★★☆
6.Let me sleep  ★☆☆☆☆
7.サウザンボルト ★★★★☆
8.エレガントの怪物 ★★★☆☆
9.ティーンネイヂフレイバ ★★★☆☆
10.Spoon ★★★☆☆
11.YELL!! ★☆☆☆☆
12.One day ★★☆☆☆
13.レリビ ★★☆☆☆

 

2010年代の地下アイドルシーンを代表するグループ、BiSの1stアルバム。

現在でも、アイドル業界に爪痕を残し続けている松隈サウンドが、すでに確立されているので、完成度が中々高い。松隈ケンタ以外の作曲家も付いていたり、意外にもバラエティに富んだ楽曲が多い。

 

この曲の目玉はやはり#4、10年代アイドルシーンのアンセム『nerve』。この曲の良さがどこにあるのか、論理的には正直、あまり分かってないけど、直感的に揺さぶられるものがある。聴くだけで、涙が出そうになる人が少なからずいるはず、私がその1人。

作詞は久保田洋司で、絶妙な乙女心の機微を上手く表した納得の詞。

続く#5も、ハードコアなギターサウンドと、ストリングスを用いた楽曲で、後のBiSHのサウンドへの過程に思える。しかし、作曲家は松隈ケンタではなく、cuneの生熊耕治。

このアルバムの面白いところは、#7、#8だったりする。#8は、ちょっと臭いギターソロとか、アウトロのサックスだとかが、いかにもニューウェーブっぽい。

#9なんて、ジャジーなトラックにポエトリーリーディング的なラップミュージックをチルな雰囲気で歌っていたりする。トラックだけで判断したら、『Sandinista!』に収録されていても、おかしくないのでは?

 

BiSと言ったら、過激なパフォーマンスやアプローチが取り上げられる事が多いが、音楽的にも、初期からクオリティが非常に高い。

後に神格化する伝説的グループの1stアルバムは必聴の価値があると思う。

 

【アルバムレビュー】篠原ともえ『スーパーモデル』1996年

1996年10月2日に発売された、篠原ともえの1stアルバム。

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スーパーモデル 15th Anniversary Edition - Album by Tomoe Shinohara | Spotify

 

1.クルクル・ミラクル ★★☆☆☆

2.やる気センセーション ★☆☆☆☆
3.レインボー・ララ・ルー ★★★★☆
4.忘れちゃうモン ★★☆☆☆
5.チャタレイ夫人にあこがれて ★★★☆☆
6.スーパーモデル ☆☆☆☆☆
7.篠原ともえクレクレタコラ ★★★★☆
8.I LOVE YOU,DE JA VU ★★★☆☆
9.メルヘン節 ★★☆☆☆
10.よのさ ★☆☆☆☆
11.チャイム ★★☆☆☆
12.クルクル・ミラクル(Reprise) ☆☆☆☆☆

 

石野卓球プロデュースのアルバムということで、かなり挑戦的な内容。

一般的なアイドルだったら、このクオリティで作ることは不可能なんだろうけど、それを可能にした篠原ともえ

私のベストトラックは#3。少し抽象的な歌詞とダブから始まり、同じ歌メロでサザンロック調ポップ・パンクに変化。歌詞も写実的ポエティックになる。

間奏では、サザンロックギターソロが入るという怪作。

#5では一変し、メロウでアンビエント感漂うトラックにウィスパーな歌唱で演じられるディーヴァ曲。

#7は、テーマとなっているテクノ歌謡が顕著になっており、原曲の怪奇的歌謡の持ち味を残したまま、ブロックパーティよろしくなブレイクビーツなどがゴリゴリ用いている。

 

篠原ともえの歌唱力も特筆すべき点。

僅かなヴィブラートとスタッカートのある語尾の処理が特徴的で、かなりテクニカルに感じる。

さらに、#5、#8などのウィスパーなボーカルから垣間見える、高い歌唱力が不可思議な楽曲群を名曲へと裏付けている。

脂が乗りまくった石野卓球のプロデュースということで、テクノ歌謡の名盤ではあるけど、いわゆるテクノと言うよりかは、数多のエレクトロミュージックの石野卓球的再解釈という感じな気がする。