SUPERCARについて思うこと。

昨日、私のTwitterのタイムライン上でスーパーカーについての話題が上がっており、それらを拝見して、なるほどな、と思うところが多々ありました。

そして同時に、スーパーカーに対して、私自身はどんなイメージ、聴き方をしていたんだろう、と感じました。

 

そこで、雑記的にブログに書いてみようと思いました。

2010年代に青春時代を過ごした、若輩にとってのリアルの話と思って読んでいただけると幸いです。

また、あくまで私の周りでの話ですので、同世代の方のみんながそうだ、と言うわけでは無いですので。

 

そもそも、私がスーパーカーを始めて聴いたのは、彼らが解散してからしばらく後でした。

当時、くるりに熱中していて(今でも大好きなバンドですが)、その流れで「97年世代」に辿り着き、拝聴しました。

私の周りでは、NUMBER GIRLから行った人が多かったと思います。

 

なんとなく、私たちが求めていた音楽は、「若さ」とか、「青さ」みたいな物で、その97年世代の中では、スーパーカーの1stアルバム「スリーアウトチェンジ」はみんなの最適解だったのかなあと。

ジャケも真っ青ですしね。

実際、「スーパーカーが好き」という友人は、ベストに1stを挙げる人が多くて、やはり、何か刺さるものがそこにあったのかなと思います。

 

それともう一つ。

みんな、Oasisが好きでした。

いかにもOasisライクなリフやメロディが多い1stは、聴きやすかったですし、それを日本のバンドがやっていた訳ですから。

 

無論、私もそのクチで、1stから入り、1stを何度も聴き、「良いバンドだな、良いアルバムだな」と感じていました。

 

ここでちょっと余談。

私たちがそれ以前に聴いていたバンド、アーティスト達は、世代的に、97年世代の影響を公言していました。

私が認識している範囲では、97年世代と呼ばれるバンドは、くるりスーパーカーNUMBER GIRL中村一義、といった面々。

 

どれも素晴らしいアーティストですし、私も好きですが、みんな、どのバンドも同じくらい好きで、なおかつ、同じ枠の中で評価していたように思います。

まあ、それは各々の勝手なんですけど、90年代後半、という大きめの枠組みの中で評価していて、「みんな、どういう聴き方してるんだろう...」と常々思っていました。

 

閑話休題

スーパーカーは2ndアルバム「JUMP UP」から、エレクトロサウンドが徐々に目立つようになってきて、その到達地点の一つとして、4thアルバム「HIGHVISION」が挙げられることが多いと思います。

 

私は、そのサウンドの響きだとかに、当時の先進性(実際、どこまでセンセーショナルだったかは置いておいて)などを感じて、エレクトロ色が強くなったスーパーカーも大好きでした。メロディもいいですしね(ちなみに、私は3rdアルバム「Futurama」が好きです)。

 

しかし、私の周りでは、エレクトロ期(と勝手に呼んじゃいます)のスーパーカーを愛聴している人はほとんどいませんでした、1stはめちゃくちゃ聴いてるのに。

 

先日、Twitterにて、とあるツイートにナカコーさんが返信をされていました。

その内容はざっくりと要約すると、

「今では「HIGHVISION」が最高傑作扱いだけど、当時は、スーパーカーがマスに向けた音楽をすることを諦めた、と感じた。」というツイートに対して、ナカコーさんが「やめていない。メジャーレーベルのアーティストなんだから、売る気で作った。」と返信。

その後、「今でも私は大衆に向けて作っているし、そもそも、一部の限定された層にだけ向けて作るのは、不可能」ともツイートされていました。

 

私は、どちらの意見、考えにも理解できるし、間違っていないような気がしました。

 

2010年代に生きている私たちにとっては、彼らのエレクトロサウンドは、特に真新しいものでは無いと思います(これは、批判では無く、単なる事実としてです)。

その上で、スーパーカーにその音楽性を求めている者は私の周りでは、皆無でした。

逆に、そういう音楽を好きな人はサカナクションを聞いていました。

 

あくまで予想ですが、「自分達が産まれた頃の、もう手に入れる事の出来ない時代感の青さや青春のノスタルジー」を1stから摂取しようとしていた人が多かったんだと思います。

なので、当時はセンセーショナルさがあって、元々ギターロックをやっていたバンドが作る、エレクトロ的な楽曲には大した興味がなく、90年代後半に10代のメンバー作った青々としたロックばかりが聴かれている気がします。

 

リリース時にマスに向けた音楽だったか、とは論点がズレてしまいますが、私たち世代の一般的な邦楽好き、バンド好き(ここで言うところのマス)には刺さらなかったと言えるんじゃないかな、と(私の周りでは、の話ですが)。

現に、スーパーカーが好きと言って、1stを聴き込んでいるような人が、現在のナカコーさんのソロを全く聴いていないようですし。

 

90年代後半の背景は、私には分かりかねますが、私たちのような後追い世代にとっては、もしかすると、現在のスーパーカーは「マス向き」なバンドでは無くなっているかもしれないです。